郷土料理『鯨汁』

郷土料理『鯨汁』

夏の肘折温泉で食べられている郷土料理といえば『鯨汁』。「肘折みたいな山奥で〈鯨〉を食べるの?」と驚く人も多いでしょう。東北では古くから海から遠く隔たった山村で、塩漬けの鯨肉を貴重なタンパク源として食べる習慣があります。鯨汁は地域によって様々な具材のバリエーションがあり、肘折でのポピュラーな具は鯨と〈じゃがいも〉、そして、TVなどで最近すっかり有名になった〈みず〉です。鯨は細く、じゃがいもはゴロリを大きめに切り、みずは大胆に手でねじって切ります。この〈ねじる〉ことを肘折では「もぎる」といい、鯨汁を別名『もぎりみず』とも呼ぶそうです。若い世代にはちょっとくせのある味ですが、鯨汁は精がつくとされ、昔から〈暑気払い〉として食べられてきた滋養ある料理。郷土料理『鯨汁』湯治の際に宿にリクエストしてみてはいかがでしょうか。