銅山川にそって上流へと歩いてゆくと、肘折ダムの手前に『羽賀だんご屋』があります。ここは肘折温泉の甘味処として湯治客や地元の人々に人気のお店。米粉からではなく、うるち米を炊き上げてつくるお団子は、香りがよく歯ごたえも抜群。国産小豆の餡や〈ずんだ〉の素朴な甘さとよく合います。小さな店内にはテーブルが2つに椅子が8脚だけですが「奥にも入れますよ」とご主人。仕切りの襖を開けると、そこには仏壇やら家財道具があるお座敷が… まるで〈田舎のおばあちゃん家〉のような、他所のお宅にお邪魔する感覚で頬張る団子もまた、肘折温泉らしいくつろぎのスタイル。電話で注文をすると2代目の浩人さんが旅館の部屋までお団子を届けてくれるというサービスもあり、常連の湯治客はよく利用しています。雪深い冬期は休業しているため、春から秋にかけての期間限定のお楽しみです。