水墨画『本合海の最上川』
30年来、肘折温泉に通った水墨画家の東山先生。定宿として『大穀屋』を亡くなるまで贔屓にしたそうです。いつも自然体で芸術家を気取ることなく〈いかにも湯治客〉といった佇まいの東山先生のことを、ご主人の柿崎繁美さんは、出会ってから4~5年もの間、著名な水墨画家だとはまったく知らずに接していたそうです。ところがある日、東山先生から1枚の水墨画をいただいた柿崎さん。「絵についてはまったく不心得者の私ですが、この最上川の絵は、眼に入った瞬間に心を奪われてしまいました」と、作品『本合海の最上川』との出会いを語ってくれました。母なる河・最上川を描いたこの作品は、立派に額装されて、大穀屋旅館の玄関の一番いい場所に飾られています。