小松淵の大蛇伝説

小松淵の大蛇伝説

肘折温泉の入り口にある『小松淵』には、大蛇にまつわる民話があります。その昔、小松淵に大きな大蛇が棲みついていました。この大蛇はいたずら好きで、橋に化けて村人を川に落としたり、大雨を降らせて田畑を流してしまうなどやりたい放題。村人は大蛇を『小松淵の主』を呼んで恐れました。この話を聞いたお殿さまは、「肘折の大蛇を討伐せよ」と『小山八郎』をつかわせます。蛇が潜む洞穴に忍び込んだ八郎は、大格闘の末、見事『小松淵の主』を成敗しました。このとき吹き出した大蛇の血潮は、7日7晩、銅山川を赤く小松淵の大蛇伝説染めたと伝わっています。小松淵には〈肘折カルデラ〉の噴火口が残っており「大蛇が潜んでいた」とされる洞穴もこの火口だったのではないかと言われています。現在は危険なため穴は塞がれていますが、大蛇の伝説は今も語り継がれています。