棚田の〈ほたる火〉
肘折温泉の隣村『四ヶ村(しかむら)』は、豊牧・沼の台・滝の沢・平林の四つからなる山あいの集落。日当りのよい斜面を拓いた棚田での米づくりや林業が盛んです。肘折の朝市で売られる野菜は、ほとんどこの四ヶ村で丹精されたもの。2つの村は昔から固い絆で結ばれています。なかでも豊牧の棚田は『日本の棚田百選』にも選ばれ、湯治客に人気の観光スポット。四ヶ村では、この棚田をひろく知ってもらおうと、平成16年から毎年8月の初旬に、1夜だけの『棚田のほたる火まつり』を開催しています。約600個のロウソクを村人総出で棚田の畦に灯すこの幻想的な光のイベントは、年を増すごとに成長し、オカリナの演奏会なども行われています。肘折が〈開湯1200年〉を迎えた2007年には、肘折地区も点灯に協力して、1200個の〈ほたる火〉を棚田に灯しました。