湯花の大掃除

湯花の大掃除

肘折温泉に沸き出すお湯は、1200年の時を超えて、現在も人々によって大切に守られています。お湯の吹き出し口である〈源泉〉は、今でこそ温泉街の各所で見られますが、昭和初期まで『上の湯』と数ヶ所の旅館にしかなかったそうです。その後、22軒すべての旅館に源泉からパイプが引かれ、お湯が通るようになりました。パイプが長く複雑になったことで、たいへんになったのが『湯花』の掃除。パイプ内に温泉の成分・湯花が凝固してしまうと湯の通りが悪くなり、過去には温泉が止まってしまう騒動もあったとか。以来、温泉街では『三十六人衆』が総力をあげて、年に4回~6回〈湯花の大掃除〉を行っています。丸1 日、温泉の供給を止めてパイプや源泉の湯花を除去します。湯花の大掃除お湯があってこその肘折。「お湯を守る」ためには人々の様々な努力や労働が必要なのです。