秘湯『石抱温泉』
肘折温泉街から月山方面に車で10分ほど登った山中に、秘湯のなかの秘湯『石抱温泉』があります。この温泉、脱衣所はもちろん、屋根も何も無く、大自然のなかにポカッとお湯が沸き出しているのみ。浴槽(?)の脇にスノコが置かれているだけの、なんとも野趣に富んだ秘湯ですが、さらにその名前にも珍妙な由来が…。この温泉はソーダ水のような発泡性の『炭酸泉』で、昔は炭酸の含有量が極めて多く、お湯のなかで体が浮いてしまうため、なかなか身体の真まで温まれない。そのため湯治客はそれぞれ漬物石のような石をおもりに抱いて入浴したとか。嘘かマコトか、それが「石抱(いしだき)」の由来なのです。泉質はナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物で、ほんの数分つかるだけで、体がポカポカする『あったまりの湯』とも呼ばれています。