お稲荷さんと馬頭観音

お稲荷さんと馬頭観音

新庄方面から肘折トンネルを抜けたところに、見落としてしまいそうな横道があります。『若松屋 村井六助』の若女将・村井里歌子さんによると、道の先には小さな馬頭観音の石碑とお稲荷さんのお堂があるのだとか。数年前、若女将として肘折に戻ってきた里歌子さんは、おばあさまから大切な仕事を受け継ぎました。それは「先祖代々、村井家が大切にしているお稲荷さんと馬頭観音の管理を私の代わりにしてほしい―」というもの。肘折育ちの里歌子さんですが、そのときはじめて稲荷の存在を知ったそうです。以来、おばあさまの言いつけをきちんと守り、お稲荷さんと馬頭観音こまめにお参りして、お供え物や掃除を続けているそうです。高台にある稲荷からはいつもと違う角度の小松淵や温泉街が一望でき、今ではその場所が好きになったという里歌子さん。観光マップには載らない、村井家の女性たちが代々守ってきた密やかな名所です。