原始のブナ林
国道458号線を寒河江市方面に車で4㎞ほど進むと、見事なブナの森に辿り着きます。ブナの単相林は、今日ではとても貴重な景観。大蔵村をはじめ、最上郡全域で、里に近い低地のブナ林は一部の残存林を残して消えてしまいました。ブナ林の消滅は人為的な影響が大きいことから、原始の森の維持は、肘折の人々の「貴重な自然を、なるだけ手つかずのまま後世に残したい」という熱い想いと努力の賜物なのです。雪どけの頃の、ブナ林の美しさは格別。ある山菜採りの名人は、「残雪から生える新芽の緑がすごく綺麗なんだよ」と教えてくれました。国道458号沿いの山奥のブナの樹々は、縄文の時代から変わらない姿を残し、地元肘折の人々にとっては先祖から受け継いだ、自然との強い絆を最確認させてくれる癒しの空間なのです。