永大橋

永大橋

肘折温泉には銅山川の川上から、『永大橋』『天狗鼻橋』『金山橋』『小松淵橋』の4つの橋が架けられています。その中でも最も古い『永大橋』にまつわる物語―。昭和40年頃、薬師神社の境内には、5〜6本の杉の巨木があり、子どもたちの恰好の遊び場でした。樹齢は推定250年。その後、杉はある理由から伐り倒されましたが、神社の境内に今も大きな切り株が残っています。『カネヤマ商店』のご主人・須藤修一さんは、伐採当時、子ども心に哀しい思いをしたそうですが、大人になって、村の寄合でその杉が永大橋の架け替えの木材として使われたことを知りました。大好きだった杉の樹が、人々のための〈道〉としてずっと傍にいてくれたことを知り、感動したそうです。現在の永大橋はさらに永大橋代替わりして3代目ですが、須藤さんは永大橋を渡るたびに、杉の巨木たちを思い出すそうです。