肘折三十六人衆

肘折三十六人衆

肘折温泉には、古くからの『契約講』が大切に継承されています。その昔は集落の相互扶助を目的とするたくさんの〈講〉があったそうですが、ひとたび契約を破ってしまうと村八分になるという、厳しい側面もありました。雪深い肘折で湯治文化を守っていくためには、村全体でルールを決めていく必要があったのでしょう。『契約講』のいくつかは、今でも肘折での暮らしで重要な役割を担っていますが、その代表的なものが『三十六人衆』です。温泉の使用権を持つ温泉組合と同じ組織です。年に1回、12月の第2日曜日に大きな契約講の集まりが行われ、温泉の維持・管理に関する会議を執り行います。その後、念仏を唱えながら直径3mもある数珠を回す神事をおこない、肘折三十六人衆『男地蔵(湯の神)』の前で湯守の結束を確認しています。