飛塚安吉 作『ご神火』

飛塚安吉 作『ご神火』

『三春屋別館』のロビーに飾られている小振りな山の絵は、飛塚安吉さんの油絵の作品『ご神火』です。この山は肘折周辺のものではなく、伊豆大島の活火山・三原山。噴火口から煙がうっすらとたなびいています。勇壮な火山を描いていながら、どこかのどかさが漂うこの作品。三春屋旅館に飾られることになった経緯は、女将の三原和子さんと飛塚安吉さんの奥さまのご縁にあります。2人は高校の同級生で、和子さんは自分の苗字と同じ〈三原〉の名がついたこの山の絵に愛着を感じ、奥さん同士で話を進めて譲ってもらったそうです。肘折は地下のマグマを熱源とする火山性温泉であり、飛塚安吉 作『ご神火』三原山と同じカルデラ地形であることから、2つの土地は意外にも共通項が多いのです。肘折で眺める〈三原山〉は、温泉が大地の恩恵であることをあらためて感じさせてくれます。