奥山三郎 作『林道の春』

奥山三郎 作『林道の春』

まだ雪の残る朝日台と、その上を蛇行しながら続いていく1本道。作品『林道の春』では、風景がその内に秘めた春到来の喜びを、静かに発しているように感じられます。この絵を描いた奥山三郎さんは、小学校の教師をしていました。同じく旅館に入る前は教員をしていた『大友屋旅館』の先代とは親しい間柄で、奥山さんは肘折温泉に泊まるときは、決まって野外にイーゼルを立てて、肘折の風景をキャンバスに描いていたそうです。大友屋のロビーに飾られた『林道の春』は、旅館が現在の建物に改装されたときに、お祝として奥山さんから贈られたもの。いただいた絵はこの他にもたくさんあり、とても全ては展示できないそうです。奥山さんはとても社交的な方で、他の宿の人々や湯治客とも仲が良く、奥山三郎 作『林道の春』肘折を描いた油絵は、大友屋旅館以外の旅館にも飾られています。