石灯篭

石灯篭

『優心の宿 観月』の玄関やロビーに置かれている石灯篭は、お客さまから贈られた感謝の品。お医者に通っても足の持病がなかなか治らず、悩んでいたそのお客さまは、温泉雑誌で肘折を知り「最後の望み」と観月の傷湯で湯治をはじめたところ、痛みは徐々にうすれていったそうです。1ヶ月に1回ペースの長湯治ですっかり肘折での逗留生活にも馴染み、暇を持て余すようになったその方を、ご主人の柿崎操策さんは時間を見つけては、山形の名所案内に連れ出したそうです。やがてお客さまとご主人の関係は、親戚づきあいのような間柄になりました。秋田で石材屋を営んでいたそのお客さまが、ご主人との親交の記念にと自ら刻んだ石灯篭。石工の仕事は体力勝負ですから、きっと足の傷は石灯篭すっかり癒えたのでしょう。