松井旅館の珍客「山田先生」

松井旅館の珍客『山田先生』

『松井旅館』には、時々ちょっと不思議なお客様が宿泊したそうです。特に女将さんの少女時代の思い出に残っているのが『山田先生』。山田先生は大きなスーツケースを片手に髪の毛はもじゃもじゃ。独特の風貌の持ち主で、はじめて肘折に泊まりにきたとき、宿の従業員たちはたじろぎましたが、先代のお父様は「大丈夫だから」と快く迎えたそうです。山田先生は実はとても優しい方で、以後、松井旅館を定宿とし、肘折でとても有名なお客さんになりました。というのも、山田先生はどんな小さな出来事でも感動したことを和歌にして「お礼に」と肘折の人々に贈ったからだそうです。もちろん松井旅館にもたくさん歌が残っています。また、肘折小中学校の運動会当日には、松井旅館の珍客「山田先生」誰よりも早くグラウンドに来て準備をするなど、肘折温泉を愛し、愛されたお客さんでした。