肘折名物『雪おろし』

深々と静かに雪が降り積む冬の肘折温泉では、時折、〈ドスンッ、ドスンッ〉〈バシャーン!〉と大きな音が街中に響き渡ります。その正体は、屋根に積もった雪の塊が道路に落ちる音。豪雪で名を馳せる肘折温泉の雪おろしは、その場に居合わせた人々が思わずポカーンと口をあけて見入ってしまうほど勇壮な風景です。肘折地区には昔から専門の〈雪おろし隊〉がいて、地元の大工さんなどの職人さんが、冬期の仕事として雪おろしを請け負っています。その伝統の技術とチームワークは一級品。傾斜のある屋根に何十センチも積もったぶ厚い雪を降ろすため、まず豆腐を切るように鋸(のこぎり)で切り込みを入れてブロックにしてから、1つずつスノーダンプで掻き落としていきます。大きな塊の雪が温泉街に落ちる様は圧巻です。