夜を彩る『ひじおりの灯』

夜を彩る『ひじおりの灯』

温泉街の商店は湯治客が買い物ついでに井戸端会議を楽しむ社交場ですが、朝市にあわせて夜は早々に店じまい。商店がシャッターを閉めると温泉街は漆黒の闇に包まれる―。そんなひっそりとした肘折の夜を変えたのが『ひじおりの灯』です。肘折温泉では、2007年から東北芸術工科大学と共同で、灯ろう『ひじおりの灯』をつくり、毎年7月13日の『開湯前夜祭』から8月末まで、夜の温泉街に飾っています。『カネヤマ商店』のご主人・須藤修一さんによると、『ひじおりの灯』を鑑賞しようと、湯治客が夕食後のそぞろ歩きを楽しむようになり、夜を彩る『ひじおりの灯』夜の風景が一変したとか。「軒先の灯ろうをめぐって、お客さまとの会話もはずむし、夜には私らもテーブルを出して、灯りの下で仲間とお酒を飲んだりして、楽しんでいます」と須藤さん。肘折にまた一つ新しい風物詩が加わりました。