混浴があたり前

混浴があたり前

私たちが温泉に行くと、当たり前のように浴室は男湯・女湯と別れています。でも一昔前の温泉場では、ほとんどが〈混浴〉だったのをご存知ですか?ここ肘折温泉も戦前は混浴があたり前。そして現在でもほとんどの旅館は、男女別の浴室の他に〈混浴専用の浴室〉を備えています。湯治場は病気を煩った人々が訪れる場所でもあり、介助がないと入浴できない人もいました。混浴は、夫婦や親子などで一緒に入浴できる場所として不可欠だったのです。男女別の浴室はプライベートの社会通念がひろまった昭和28年頃から、お客さまの要望により備える旅館が増えたそうです。混浴があたり前けれども、現在も混浴を目的に肘折にやってくるお年寄りは多く、性別は関係なく皆で一緒に身体を癒すコミュニケーションの場としての〈湯治文化〉が、肘折にはあたり前の風景として残っています。